昨日聞いた TED Radio Hour のエピソード “Work, Play, Rest - Part 2” の中の話がとても感動的だったのでご紹介をしようと思います。
紹介されていたのは “Autcraft” という自閉症を持った子供たち専用(大人ももちろんOK)のマインクラフト環境です。Stuart Duncanという人が 2013 年に立ち上げました。自閉症を患っている彼のご長男がマインクラフトに出会い、最初はとても楽しんでいたのですが、マインクラフトの中で馬鹿にされたりいじめられたりしたのが原因で、マインクラフトから徐々に遠ざかるようになってしまいまったそうです。Duncanさんは親として何かできないか、と考え、自閉症を持つ人のためマインクラフト環境を立ち上げたのが Autcraft です。虐めたり揶揄ったりしない、作っているものを壊したりしない、殺したり呪いをかけない、下品な行為をしない、などのルールを設け運用されています。2013 年に簡単な環境を作って公開したところ、2 日間で 750 通のメールを受け取る大反響だったそうで、現在でも1万人ほどの人々に利用されています。
対談の中で Duncan さんがこんなエピソードを話してくれました。Autcraft 立ち上げ当初からのユーザーで当時 12 歳だったある少年は、無事に高校、大学へ進学し、その間もAutcraft を楽しんでいたそうなのですが、大学卒業後は Autocraft から離れてしまったそうです。きっと忙しくなったのだろう、と Duncan さんは思っていたのですが、その彼から昨年のクリスマスにメールをもらいました。そして、彼からのメールにはこう書かれていました。「まだ Autcraft がきちんと動いていて多くの人に利用されていて嬉しいです。Autcraft が無かったら僕は高校にも行けてなかったと思うし、ましてや大学に進学して、やりたいクラブ活動に参加するなんてこともできなかったと思います。そして、今年長年の夢だった LEGO 社本社での採用が決まりました。ありがとうございます!」
ここで私は思わずウルっときてしまいました。技術の力をこんな風に使えたら素晴らしいですよね。興味がある方は是非このエピソードを聞いてみていただければと思います。Duncanさんのと話は 30:38 あたりから始まります。また、Duncanさんが以前に TED のステージで話された時の映像もあります。日本語字幕もありますすのでこちらも是非。
TED: How I use Minecraft to help kids with autism by Stuart Duncan
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