この度、Larry PetersonとBruce Davie が中心となって書いているネットワーク関する書籍シリーズ “Systems Approach” の SDN 編 “Software-Defined Networks: A Systems Approach” という本の邦訳版「Software-Defined Networks ソフトウェア定義ネットワークの概念・設計・ユースケース」を出すことになり、その翻訳をやらせていただきました。6/22に発売開始予定です。
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この翻訳本を出すことになったきっかけは本書の「訳者まえがき」のところでも書いたのですが、簡単に言うと、私の Nicira 時代の同僚で、VMware では私の直属の上司でもあった Bruce Davie から「”Software-Defined Networks: A Systems Approach” の日本語版を出したいので協力して欲しい」と相談されたのがキッカケです。原書を読んでみるととても興味深い内容だったので、ぜひ邦訳の手伝いをさせて欲しい、と返事をしました。ただ、私の知見だけでは不十分と思われたので、SDNやP4 に関して豊富な知識と経験を持たれている海老澤(通称 ebiken)さんにお声がけをし、ebiken さんがファブリックネットワークにも大変お詳しい小林さんに声をかけてくれました。お二人とも翻訳作業をご快諾いただき、3人で分担して翻訳作業にあたることになりました。
出版社は以前からお付き合いがあった翔泳社さんに相談をし、こちらもすぐに話がまとまり、出版に関して不慣れな我々を最後まで手厚くサポートしてくださいました。また、今回は単なる翻訳ではなく、日本オリジナルのコンテンツを加えたものにしたい、という意向もあったため、APRESIA Systems(株)、NTTネットワークイノベーションセンタ、東京大学中尾研究室の方々から新しい SDN のユースケースに関する情報を提供いただき、掲載いたしました。また、ヴイエムウェア(株)のRasmus Rusz Holtetに協力をしてもらって行った日本の SDN 市場に関するインタビュー記事も収録しています。
以下、本書の章立てになります(*は日本語版オリジナルコンテンツ)。
- 第1章 SDNの概要と定義
- 第2章 ユースケース
- 第3章 基本アーキテクチャ
- 第4章 ベアメタルスイッチ
- 第5章 スイッチOS
- 第6章 ネットワークOS
- 第7章 リーフスパインファブリック
- 第8章 ネットワーク仮想化
- 第9章 アクセスネットワーク
- 第10章 SDNの未来
- 第11章 日本におけるSDN*
- 付録A [補足] ネットワークファブリック*
- 付録B [活用例] SDNとNFV*
- 付録C ハンズオンプログラミング – 演習問題
OpenFlow をきっかけに、世界的に SDN ブームが起こってから約10年が経過したわけですが、この10年間で SDN は大きく進化しました。本書がその理解への一助になれば、著者、訳者一同大変嬉しく思います。ご興味を持たれた方は、是非 Amazon でポチっとしていただければ幸いです(笑)