「1リットルの涙 - 難病と闘い続ける少女亜也の日記絵」、読みました。

脊椎小脳変性症という難病にかかった女の子の日記と、彼女を一時期担当した医師による解説および母親の手記が収められています。

この難儀な病気を背負うことになってしまった亜也ちゃんの前向きな姿勢にも心を打たれますが、それよりも僕は彼女の母に強い感銘を受けました。自分が同じような立場になったとき、あのような毅然とした、それでいてとても暖かに子供に接することができるのだろうか。正直言って自身がありません。

ひどい人たちもいます。「○○ちゃんもいいこにしていないと、あんなふうになってしまうよ」と子供に躾ける大人、「おいて帰るよ」と脅したり「どうせ治らん病気でしょ」と言い捨てる家政婦、本当にはらわたが煮えくりかえる思いです。

でも、素晴らしい人たちも大勢出てきます。母親、兄弟、親身になってくれるお医者さんや家政婦さん、病院の仲間、高校の友達、など。ただ、この本には母親の姿しか出てきません。父親はどうしていたのだろう?

僕がこの本を読んで流した涙はわずか1ccにも満たないでしょうが、亜也ちゃんは本当に1リットル以上の涙を流しながらこの世を去ったに違いありません。枯れるほどの涙を流しつつも精一杯生きた亜也ちゃん、「生きる」とは何かを教えてくれてありがとう。不幸を背負った娘を甘やかさず、でも愛情をいっぱい注いであげた亜也ちゃんのお母さん、辛い10年だったと思いますが、貴方のおかげできっと亜也ちゃんは幸せだったと思います。