本書は、多少でも英語を書く必要がある人は絶対に一読すべき本であると思う。
日本人の英語にありがちな間違いの中から、意思伝達に支障をきたすと思われるものを、その深刻度順に解説をしている。
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冠詞
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前置詞
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時制
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関係代名詞
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受動態
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論理関係を表す言葉
このように書くとありきたりの英文法の本、と思われるかも知れないが、今までの説明とは一味違った説明のされ方をされており、目から鱗となるものも多い。
例えば、名詞の前につける言葉の問題。”a” なのか “the” なのか、”my” や “your” などの所有限定子なのか、はたまたなにも付けるべきではないのか、は、いままで我々は、どのような性質の名詞がくるから、その前につけるのは “a” だとか “the” だとか、と教わってきたに違いない。単数だからとか特定の限定されたものだからとか、不可算名詞だから、などなど。
しかし、本書の筆者は、そもそも英語的な発想では、まず自分が言おうとしているものが “a” なのか “the” なのか、”my” なのかなどが頭の中で決められて、その結果としてそのあとに適切な名詞が来るのだ、としている。従って語順もそうなっているのだ、と。ふうむ、なるほど。
また、同じ「入れる」なのに、冷凍庫だと “put in the freezer” なのに、なぜ電子レンジだと “put in my microwave oven” になるのか、や、国の名前の前には通常 “the” は付けないが、米国やオランダは The United States of America や The Netherlands となる、など、いままでわれわれの習った文法ではなかなか説明できなくて、単に「慣用」と整理されてきたことも、筆者は英語的な観点から論理的な説明を試みている。
自分で反省する部分が多かったのは関係代名詞であった。自分で書いた英語にも、修飾される名詞と関係節が遠すぎて意味が取りにくくなっている部分が多いのではないか。また、たしかに関係代名詞の限定的用法と非限定的用法は文法として大昔に習ったが、今はあまり両者の違いを気にせずに使っている。きっとそういう部分も英語ネイティブの人には気になるに違いない。
弊社のWebページの英語は、恥ずかしながら会社設立当時に私が書いたものだが、本書と取らし合わせてみるとおかしなところが多々あるに違いない。暇を見て校正してみようと思う。また、本書の続編もあるようなので、こちらも読んでみようと思う。